お人好し役所DXとは何か
1. なぜ今「お人好し役所DX」なのか
「役所って、なんだか行きづらい。」そう感じている人は、きっと少なくありません。
平日にしか開いていない。どの窓口に行けばいいかわからない。相談したいけれど、こんなこと聞いていいのかな……。
一方で、地方都市は「消滅可能性都市」という残酷な言葉にさらされ、人が減り、税収が減り、サービスもじわじわ痩せていきます。
そこで掲げたい旗が、「お人好し役所DX」です。ここで言う「お人好し」とは、ただのイエスマンではなく、
「困っている人の側に、半歩先回りして立つ行政」
という意味の、お人好しです。
2. DXはITの話ではなく、「困りごと解決の作法」
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は、むずかしく語られがちですが、本書での定義はもっとシンプルです。
DXとは、デジタルを使って「困っている人を、ちゃんと助けられる形」に行政を作り替えること。
クラウドやAIの前に、まず「誰のどんな困りごとを、どう楽にするのか」という物語が必要です。その物語の旗印が、お人好し役所DXです。
3. お人好し役所DXの三つの柱
お人好し役所DXは、次の三本柱で考えます。
- ① やさしさDX(お人好し窓口)
・専門用語ではなく、ふつうの言葉で案内する
・子ども・高齢者・外国人にも伝わる表現にする
・「叱る」のではなく、「寄りそう」窓口にする - ② 速報DX(お人好しニュース)
・行政の決定やイベントを、スマホでわかりやすく毎週発信する
・それが、金看板メニュー「SHIBUNEW(シブニュー)」です
・「知らなかった!」を減らし、「間に合った!」を増やす - ③ 見える化DX(お人好しアーカイブ)
・過去のお知らせや施策が、スマホからすぐ探せる
・成果や進捗をグラフや図で「見える」ようにする
・「ちゃんとやってます」を、市民の目で確かめられるようにする
この三本柱を、スマホを中心に組み立て直す。それが「お人好し役所DX」です。
4. スマホが役所の玄関になる
多くの市民にとって、市役所のカウンターよりも先に触るのは、スマホの画面です。
子育て中の親は、夜中の授乳の合間に検索します。高齢者は、離れて暮らす家族にスマホを操作してもらいます。若い世代は、まずSNSやリンクから情報を拾います。
だからこそ、
「スマホで見つけやすい役所」=「行きやすい役所」
と言っても、言いすぎではありません。
紙の広報誌も大事です。でも、それだけでは届かない層が確実に増えています。お人好し役所DXは、紙とスマホの両輪で市民を支える発想です。
5. 「消滅都市」を、お人好しで救う
地方都市が消えていく——。そんな報道を目にするたびに、「数字ではなく、ここにはちゃんと人が住んでいる」と言いたくなります。
人口を増やすことはすぐにはできません。でも、
- ここで暮らす人が「このまちで良かった」と思える
- 外から来た人が「このまち、なんだか居心地がいい」と感じる
そういう空気を作ることは、今日からでも始められます。
そのために、行政ができるいちばんのことは、
「冷たくないこと」 だと、このスマボンは考えます。
お人好し役所DXは、優しさに全振りした行政のリデザインです。
6. SHIBUNEW(シブニュー)は「最強ウエポン」
お人好し役所DXには、いくつかの実践ツールがあります。その中でも、金看板メニューが「SHIBUNEW(シブニュー)」です。
- 週に一度、市の「新しい」をスマホで配信する
- できれば、職員の顔や声も一緒に届ける
- 「こんなことやってます!」を、小さくても継続して見せていく
SHIBUNEWは、市役所と市民をつなぐやさしい心臓のような存在です。このスマボンでは、後の章で SHIBUNEW を含む具体的なメニュー案も紹介していきます。
7. このスマボンの読み方
このスマボン『お人好し役所DX』は、次のような流れで読めるように構成していきます。
- 第1章 …… お人好し役所DXとは何か(今回の章)
- 第2章 …… 市民サービスの設計編(子ども・高齢者・弱者目線)
- 第3章 …… SHIBUNEWと発信DX編(ニュース・SNS・動画など)
- 第4章 …… Netlifyとスマボンで作るミニサイト実装編
- 第5章 …… 一つの自治体モデルとしての「お人好し役所」完成図
まずはこの第1章で、「なんで役所が“お人好し”を名乗る必要があるのか」を、じっくり味わってもらえたら嬉しいです。